9月29日(火)、前期終業式にて放送でお話された佐々井学校長からの式辞をご紹介します。
『皆さん、おはようございます。2020年度前期終業に際し、式辞を申し上げます。
今日は全国的にカラッとした秋空が広がる心地良い天気に恵まれました。皆さんとともに終業式を迎えられたこと、嬉しくありがたく思います。この6か月を振り返りたく思います。新年度、4月9日に入学式、そして翌日の10日に始業式を挙行した直後、緊急事態宣言が発令され、二か月にわたり休校措置をとりました。誰もが想像もしなかった、これまで経験したことのない、新型コロナ感染が世界を震撼させました。私たちは、将来ある皆さんに教育の発信を止めてはならないと、保護者の皆様のご理解とご協力をいただきまして、5月からすべての中学高等学校のクラスでオンラインによる授業を配信しました。皆さんも状況を踏まえ、学校再開に向け健康管理に努めた日々であったかと思います。部活動にあっては、皆さんが目指してきた全国大会や発表の開催が次々と見送られました。懸命に日々稽古や練習、また創作活動に励まれていただけに、残念でならなかったことと思います。しかし、自暴自棄にならず自身を律し学生の本分を全うしようとする姿勢を貫徹されました。
6月から段階的に学校が再開され、改めて校内のいたるところで皆さんと「おはようございます」「こんにちは」とあいさつを交わすことの幸せを感じたことは今も忘れることはできません。当たり前のありがたさ。当たり前の環境を自らが作り出すことの大切さを思い知る毎日でした。
そして、何よりもこの厳しい状況下の中ではありましたが、生徒の皆さんと先生方が学校生活の大イベントである文化祭、そして今年度は高校では各種競技大会において、この環境を一人一人が受け入れ、理解し、しっかりと開催すること、そしてそれぞれの作品やパフォーマンスを称え、また競技に参加し大いに楽しむ時間をともに創り出せたこと、また行事を無事に成功に導いたことを、誇りに思えました。準備に汗を流してくださいました生徒の皆さんすべてに、改めまして感謝いたします。中学校では来月2日、新たな体育祭が開催されます。高校生に引き続き、心に残る体育祭を創り上げられますことを期待します。
前期終了にあたり、京都学園賞を受賞されましたみなさん、そして授業や部活動でご自身の高みの目標や才能を発揮され優秀な成績を上げられました皆さんに改めましてお祝いを申しあげます。どのような環境下であっても勝負でき、世のため人のために生きるという生き様は、先ずは自分が一度決めた目標に対し、真摯に向き合い、必ず達成してやるのだ、という情熱と決してあきらめない執念そのものなのです。この度受賞された皆様の努力に敬意を払います。また、今回は惜しくも京都学園賞に名前を連ねることができなかった皆さん。後期の頑張りに大いに期待します。
そして、善行を表彰受賞された4名の皆さんの心温まる行動を大いに称えたいと思います。
院内感染という厳しい状況下にあった病院関係者方々へ当時マスクが不足していた際に、手作りのマスクを進呈された高校3年長松君。心無い方々からの誹謗中傷をうけながら、懸命に患者さんの治療にあたっておられました医療従事者の皆様に対し、あなたの行動が仕事に向かわれる励みと勇気を与えました。そして働くことにどんなに誇りをお持ちになられたことか。心より感謝します。
また、ご家族が一家団欒で楽しいひと時をお過ごしになっておられたとき、突然の出来事で、ただただ戸惑われ、「助けてください」と助けを求めておられた時、即座に状況を確認し、救急車を呼ぶ、そしてご家族に寄り添い、救急隊到着時には通路を確保し、患者さんを無事に救急車に乗車するところまで、一瞬の出来事に冷静にチームで対処し、一刻を争う救命救急に尽力した、高校3年橋爪君、2年長浜君、同じく2年宮部君、サッカーで培った判断力、行動力、そしてチームワークが本当に一人の命を救うという人命救助へと結びつきました。心より御礼を申し上げます。ご家族から命の恩人ですとのお言葉をいただいています。
全校の生徒並びに教職員のみなさん、善行を表彰された4名に拍手を送りましょう。
『世界のどの舞台に立っても堂々と自分の意志で行動できる人になる』まさしく、辻本光楠先生の教えそのものの人としての行動でした。
『いつか、プロ! 今、本気!』まさしく、学校生活通して、高い目標に対し真摯にその達成に向け努力をし続けていることの証でした。
先日、キャンパスストリートの屋外VISIONで本校卒業生、横浜DeNAの上茶谷投手が阪神戦で、144球完封勝利をとげられた試合の様子が放映されていました。先輩もプロ野球の世界で大いに認められる活躍をされています。上茶谷さんの活躍は私たちの励みになります。そして、努力は必ず実を結ぶことを教えてくださっています。これからも応援しましょう。
みなさん、前期を今一度振り返り、本気で自分と向き合えたか。今日と明日一日もう一度、自分に問いかけ、明確な目標を掲げ、意欲をもって10月1日、2020年度の後期初日を迎えられますことを期待し、式辞とします。まずは皆様前期、お疲れさまでございました。そして、後期もよろしくお願いいたします。ありがとうございました。』