5月15日(水)、緊急時避難訓練が行われました。
その後、創立記念日式典が行われました。
京都学園中学高等学校は、辻本光楠先生によって創立されました。
辻本光楠先生は、弱冠15歳にしてアメリカへ渡りました。当時、学校において欧米が進んでいると言われていたことに対し、自らの目で確かめてみたいと思うようになりました。
しかし、先に渡米している日本人を見るにつけ、アメリカ人の言いなりになっている「卑屈な姿」が目に付き、
「これではいけない」と思うようになりました。「理由のひとつは言葉にある」、言葉が通じないことにより、
誤解される、馬鹿にされる損をするという現実がありました。
そこで、光楠先生は、働きながら夜間の学校に通い、英語を必死で勉強したのです。
そして、次第に「世界に胸を張って自分が日本人だと言えるような日本人をつくりたい。その根本は教育にある」と思うに至ります。
先生は、志半ばで帰国し、東京で夜間の予備校を開き、英語を教えます。その後、京都へ移り住み、やはり夜間の予備校で、旧制中学校へ行くことができず働いている青少年に英語を教え、旧制高校から大学へと進学させていきました。
それでも昼間の学校を創りたいという思いはますます強くなり、1925年(大正14年)になって「京都商業学校」の創立・開学となって実現します。
そして、先生の教育への熱い思いが、経済的に厳しい状況を何度も乗り越え、第2次世界大戦を経ても学校を存続させることができたのです。
戦後は京都商業高等学校として商業教育を実践してきましたが、時代の流れは普通科高校へと向かっており、
1990年(平成2年)に商業科を募集停止し、普通科単独の高校として、学校名を「京都学園高等学校」と改めました。
このとき建学の精神を、グローバルな時代に対応できるように、「世界的な視野で、主体的に考え、行動する人材の育成」と再編します。
これは、創立者辻本光楠先生の思いを表現した言葉です。さらに2000年(平成12年)には、京都学園中学校が創立されました。そして2015年(平成27年)、記念すべき90周年を迎えることができました。
そして今年は創立93年目、2025年には100周年を迎えます。この京都学園の新たな歴史を創造するのは、ここにいる、私たち一人ひとりです。
ともに力を合わせて、京都学園の新しい歴史を創造していきましょう。
本日の式典では、学校長が創立者である辻本光楠先生の説明をして下さり、その後理科部の活躍の紹介、本校卒業生の勝部桃さんの紹介、また本校教員の片山先生が京都私学の優秀教員として2019度私学振興会賞が授与されましたので、ご挨拶をいただき式典は締めくくられました。